クォーツショックの詳細
1969年、日本のセイコーが初めてのクォーツ時計「アストロン」を発売しました。
その時、機械式時計が主体だったスイスの時計産業では
「はぁ~!?なにクォーツ時計って?精度ハンパないんでしょ?そしたら機械式時計が売れなくなるじゃん!!!俺たちどうすんだよこれから~!!」
みたいな反応があり、本当に経営破綻に陥る時計メーカーが世界中にいくつもありました。
この、初めてのクォーツ時計発売を発端として起こった業界の揺れ動きを「クォーツショック」と呼びます。
機械式時計に未来はないのか
確かに、クォーツショックが起きてから各メーカーは生き残るためにクォーツ時計の開発・参入に力を注ぎ始めました。もはや、「機械式時計は過去の物であり、時代はクォーツ」という風潮でした。
クォーツ式時計は精度、耐久性においても機械式時計よりも遥かに優れています。しかしながら、機械式時計にまったく魅力が無いわけではありません。むしろ機械式時計は非常に魅力的です。
クォーツ式時計には無くて機械式時計に有るもの、それは「機械が魅せる美しさ」です。
流れるように時を刻むスイープ運針、芸術的な輝きを放つムーブメントの装飾、静寂の中に静かに響くテンプの音色、どれをとっても機械式時計ならではのものです。
近年、機械式時計は実用性というよりも、こういった、芸術性、技術力、伝統をマーケティングの手法として進化しています。そういったことから、今後も機械式時計の魅力が損なわれる事はないでしょう。
ちなみに、クォーツでもスイープ運針をする時計がたまにあります。
関連用語
- クォーツ
- 水晶振動子の事、または、それを用いた時計