2021年02月06日更新
時計が止まる原因と対処法
時計の内部は何百にも及ぶ小さなパーツで構成されています。その一つが異常な動きをすることによって全体に狂いが生じてしまいます。この記事ではクォーツ時計(電池式)、機械式時計、それぞれの止まりの原因を解説していきます。
時計が止まる原因の超簡単まとめ
時計が止まる原因を超簡潔にリストにまとめました。時計が止まる原因は様々です。
ご自分の時計がクォーツ(電池式)なのか、機械式なのか分からない方は、まず『時計の種類』をご覧ください!!!
時計が止まる原因リスト
クォーツ、機械式に共通する止まり原因
クォーツ式限定の止まり原因
機械式限定の止まり原因
原因1:歯車のトラブル
電池式、機械式、ソーラー式いずれにもあるものは「歯車」です。
時計の内部には小さな「歯車」と「歯車」がいくつも重なり合っているのです。頭の中で下記の例をイメージしてください。
歯車と歯車の間に小石が挟まったら?
歯車の「歯」の部分が欠けてスカスカになったら?
いかがでしょうか?上記の例をイメージしていただけましたでしょうか?
上記の症例は実際にある例です。時計が止まったり、時間が狂ったりする原因となります。
時計の中を見てみる!!
ここでは、イメージだけでなく実際に時計の機械を分解し解説をします。
時計の裏ブタを特殊な工具を使い開けると、ムーブメント(機械)が見えてきます。
ネジを6カ所外して、電子回路と押さえのカバーを外します。
更に黒いカバーを外すことでようやく時計の心臓部である、歯車の輪列が見えるようになります。
時計の歯車と一円玉を並べました。サイズの小ささがお分かり頂けると思います。
歯車と歯車の間に小石が挟まる?ホコリ?
小石が挟まるなんて言うことは通常の使用範囲ではまずありえません。小石が入り込めるようなスペースは無いからです。この例はあくまでもイメージです。
しかし、時計の歯車はとても小さなものです。そんな小さな歯車にとっては、たとえ小さなホコリの塊でも小石のように歯車の動きを止めてしまう程の障害物になるのです。
では、歯車の動きをとめてしまう障害物の例をあげてみます。
- ホコリの塊
- 歯車が擦れて生じる微量の金属片
- 水が入ったことによるサビの塊
- 電池の液漏れによる汚れの塊
このように、歯車の動きを止めてしまう障害物の発生原因は様々です。分解掃除をして異物を取り除きましょう!!
歯車の歯が欠ける?なんで?
衝撃、歯車同士の接触による金属疲労等が原因で歯車の「歯」が欠ける時があります。止まったり、時間が狂ったりします。
また、金属同士が擦れることにより少しずつ少しづつ、肉眼では困難なほどに小さく金属は削れていきます。これを「摩耗(まもう)する」と修理業界では言います。
摩耗して歯車が正しくかみ合わなくなると、やはり止まりや時間狂いの原因になります。
分解掃除と部品交換が必要になります。
原因2:潤滑油が固まっている
歯車トラブルに近い内容ですが、潤滑油系のトラブルも止まり原因としてあります。
潤滑油、オイルは主に歯車が刺さってるホゾ穴の中に入ってます。その油が固まることによって歯車を止めたり動きを鈍くしたりします。
どうして油が固まるの?
歯車がかみ合う事で、微量の金属片や金属粉が生じます。この金属粉とオイルがまじり合い放置することによって凝固してきます。
解決策は分解掃除をし、古いオイルを綺麗に洗い、新しいオイルを注油することで再び滑らかに動き出します。
原因3:針が引っかかっている
針の引っかかりは比較的容易に確認ができます。時計を落としてしまったり、強い衝撃を与えた後は針が外れたりズレていないか確認してみて下さい。
腕時計の文字盤を見てください。針はずれていませんか?パーツが外れて挟まっていませんか?
針が止まる要因
- 針どうしが重なり合って引っかかる
- 針が文字盤のパーツに当たっている
- 針が外れかけている
時計店にて「針の取り付け」をしてください。
原因4:電池が切れている
電池式(クォーツ式時計)が止まった場合、単純に電池が切れているという事が多いです。
電池式時計にはボタン電池が入っておりますが、この電池の寿命はおおよそ2年程です。
ちなみに、電池の残量は「テスター」を使用しておおよそ判断する事が出来ます。
購入してすぐに電池が切れることもある?
あります。例えば購入してから3日しか経っていない時計だとしても、お店で買うよりも前に「製造」→「仕入れ」→「店頭にて販売」と、様々なプロセスがあります。
購入したのが3日前だとしても、その時計が製造されてから2年以上たっていたのかもしれません。時計店にて電池交換をして様子を見てみましょう。
原因5:充電されていない
これは、ソーラー時計にのみ当てはまる止まり原因ですが、けっこう多いです。単純に充電切れによる止まりです。
ソーラー時計のしくみは、文字盤にあたった光エネルギーを電気エネルギーに換えて針を動かす時計です。
ソーラー時計の充電方法チェック項目
- 太陽光が文字盤にしっかりとあたっているか
- 天気は晴れており太陽はでているか
- 8時間以上太陽光にあてたか
この二点を守るだけでもソーラー時計の充電性は大幅にアップします。
逆にこの二点を守れていないと充電性はダウンします。
太陽光にしっかりとあてていても時計が動かない場合は、分解掃除や蓄電池の交換が必要となる場合があります。最寄りの時計店にご相談ください。
原因6:ゼンマイが巻かれていない
機械式時計が止まった場合、単純にゼンマイが巻かれていない可能性があります。
オルゴールをイメージしてください。ネジを巻かないと音は流れませんよね?機械式時計も同じくゼンマイを巻かないと動きません。
ゼンマイの巻き方
機械式時計のゼンマイを巻く方法は「手巻き」と「自動巻き」の二種類です。
手巻きはリューズを手で巻いてゼンマイを巻き上げます。自動巻きは腕に付けて動いたり、降ったりすることによってゼンマイを自動で巻き上げてくれる機能です。
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